廃兵院工房

旅行の思い出とか呟きます。昼からビールを飲める仕事につきたい

(ネタバレあり)【ゴジラ-1.0感想】あえてマーチは流さない

※ネタバレあり VSシン・ゴジラ。 ご都合展開、見え見えの筋書き(特に冒頭の着陸シーンや酒席での写真撮影など)はやや気になりましたが、「恐いゴジラ」ぶりはCGで存分に発揮されていて大満足でした。銀座のシーンは何度も見返したい。 なるほど、と思っ…

7年ぶりの廃兵院

文化の国。 そんなイメージの裏腹か、どこかひ弱なイメージもつきまとうフランスだが、かつてナポレオンが欧州を席捲したように、今なお軍事大国という一面を覗かせている。 血なまぐさいフランスの歴史に触れるのに、もってこいの施設がパリの廃兵院だ。 パ…

フランスでは「フェイクニュース」はご法度?

オペラ座やヴァンドーム広場を覗こうとパリ2区を散策していたら、偶然AFPの本社を見つけた。ロイター、APと並ぶ世界三大通信社の一角に位置するAFP。ちなみにこの御三家の中でAFPは最古らしい。へぇここがあの、と感慨深く眺めていたら、突然、妻が「何これ…

ベルリンで逃れられないキス

ベルリンに行って何がしたいか。 旅行前、アテンド役の妻にこう聞かれると、「ビアホールで昼間から酒を飲みたい」と即答した。すると苦笑されたので、ちょっと考えてから「あとベルリンの壁をみたい」と付け加えた。もちろんそれは行きましょう、との返事。…

海外は本当にマスクをしていないのか

もう一生分つけた気もするマスクだが、日本では3月13日から着用ルールが大幅に緩和されるという。そもそもマスクって政府が国民に課した義務じゃないでしょう。なのになんで政府が時期まで示すんだ。そんな反感も抱くが、まあ、国が一律でルールを示した方が…

パリを論評する床屋のおばちゃん

新婚旅行で1週間ちょっとフランス・ドイツを旅した。 旅行直前に急いで荷造りしたために、床屋に行く暇がなく、髪が伸び切った状況で渡ってしまった。だから旅行後半、髪のボリューム感が気になってしょうがない。現地の床屋に行こうかとも悩んだが、旅行時…

令和のAIR聖地巡礼記

夏の某日、和歌山県にあるJR御坊駅のホームに降り立つと、むんとした熱気が肌を直撃した。 「あづい」 冷気で満たされた車内に戻りたくなったが、列車は無常にも遠さがっていく。 ガタンゴトン。 改札を出て、駅前のレンタカー屋に向かった。名前を名乗ると…

まだ知らない顔がある―「イッター城の戦い」関連の写真を発掘した

探せばあるものだな、と思った。 何の話かというとイッターの戦いだ。昨月ebayで2枚のとある写真を落札した。 それぞれの商品名は「マコーリフ将軍とガムラン将軍」、「ダラディエとマコーリフ将軍とウェイガン将軍」。味気のない表記だが、写真を見たとき…

イッター城本、再版予約受付開始しました

boothでやってますよー。 2月中旬~下旬頃発送予定です。 invalides.booth.pm

※追記【C93】イッター城の戦い考察本出します

今年2017年の冬コミに参加します。 5年ほど追い続けてきた「イッターの戦い」に関する考察本を頒布予定です。 表紙絵は 安倍泰師 (@abe_yasushi9092) | Twitter 先生にお描き頂きました。 ページ数は50くらい、100部ほどオフセットで刷って持ち込みます(絶…

とんかつ弁当とヴェルサイユ宮

いくらフランスの文化や歴史に興味を持っているといえど、舌は正直だった。 昨年夏、ボルドーからストラスブールまで横断した時のこと。唐突に日本食が恋しくなった。忘れられない醤油と味噌の味。 気になり始めると収まらない性分(欲望に弱いともいう)。こ…

2017年における戦史研究会リスト

■戦史研究会という大学サークルがある。その名の通り軍事や歴史を取り扱う団体だが、活動内容は各大毎に大きく異なる。ボードゲームを楽しむところもあれば、会員による研究発表を行うところもあり、またオリジナルの会報を頒布する団体もある。 ■ふと思い立…

「イッター城の戦い」映画化について

第二次大戦においてアメリカ軍とドイツ軍が共闘した奇妙な戦闘、イッター城の戦いを題材とした「The Last Battle」の映画化が進行しつつある。昨年初頭に原作の著者がフェイスブックで映画化を報告し、海外映画情報サイトで少し触れられたきり全く音沙汰がな…

ジャップがアクションフランセーズの通販を利用した件について

アクションフランセーズをご存知か。このページを読まれている方も歴史教科書で習っただろう、あのドレフィス事件を機に発足した組織である。仏現代史をほんの少しかじった人間としてはまぁ存在自体は知っていたのだが、昨年何気なくツイッターを開いている…

モーリス・ガムランの回想録を追い求めて

第二次世界大戦で仏軍の総司令官を務めたモーリス・ガムラン(Maurice Gamelin)の名前は、一応本邦でも知られている。あまり良い評価ではないけれど。彼の名前がネットで引っ掛かるようになったキッカケは、やはりHeart of Iron辺りなんだろうか。どうも彼へ…

蔵書

以下は趣味で蒐集しているフランス史関係の書籍。本当は分類分けしようとしたものの、億劫になってしまった。勿論全部読みこんだわけもなく、積んでいるものも多い。積んだ本は良い味を出すんですよ。 『連合軍反撃せよ』J・H・モルダック 『剣の刃』シャル…

[ユー島(Île d'Yeu)]フランス・ミリタリー旅行記

第一次大戦における救国の英雄であり、第二次大戦における売国奴でもある、アンリ・フィリップ・ペタン。そんな彼の墓は、大西洋上の小さな島、ユー島にある。 島への到達手段は2つある。フェリーかヘリだが、一般的な観光客は皆前者を選ぶだろう。船賃は往…

「リボンの武者」に見る〝和解〟

※ネタバレ含むので5巻を読んでね いわゆるガルパンのスピンオフ作品「リボンの武者」には、フランスを模した高校が登場する。その名も自由BC学園。もともと自由学園とBC高校の2校が存在し、それらが統合された結果として自由BC学園が成立するのだが、未だに…

日本海軍の基礎を作ったのは

オレンジペコ、日本海軍の基礎を作ったのは、どこの国か御存じかしら?(似非ジョンブル) 先日、日仏交流史・外交史を長年研究している仏人と話す機会を得た。 以下、会話抜粋 「日本海軍の基礎を作ったのは、どの国か知っていますか」 「イギリスでは」 「…

[廃兵院(L'hôtel des Invalides)]フランス・ミリタリー旅行記

時は17世紀、職を失った傷痍兵の存在はフランス社会を不安定にする一因であった。そこでルイ14世は傷痍兵を収容する施設、「廃兵院(L'hôtel des Invalides)」の建造を命じる。35年もの年月を経て、1706年にようやく廃兵院は完成し、今に至るまで多くの傷痍兵…

[はじめに]フランス・ミリタリー旅行記

大戦期のフランス軍好き、というのはミリタリー趣味者の中では少ない部類ではないだろうか。 それにはこういった事情があると思われる。フランスは第一次世界大戦では主役の座を担ったが、我が国のミリタリー趣味者の多くが興味の対象とするのは第二次世界大…