廃兵院工房

旅行の思い出とか呟きます。昼からビールを飲める仕事につきたい

ジャップがアクションフランセーズの通販を利用した件について

 アクションフランセーズをご存知か。このページを読まれている方も歴史教科書で習っただろう、あのドレフィス事件を機に発足した組織である。仏現代史をほんの少しかじった人間としてはまぁ存在自体は知っていたのだが、昨年何気なくツイッターを開いていると、アクションフランセーズの公式アカウントを発見してしまった。それもフォロワー数が7000を超えているなかなかの大手アカウントである。すぐフォローしてウォッチを開始した。

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ツイッターアカウント)

 この組織の面白い点といえば、まず今のフランスでは相当珍しいだろう王政復古を主張していることだろう。ルイに繋がる名跡のブルボン家やコルシカ出身のボナパルトさんではなく、オルレアン家の家長を現正統な王として掲げている。同組織が発足した100年前でも王政復古は無理があると反発があったというのに、この現代に「国王陛下万歳」と真顔で唱えているのだ。面白いとしか言いようがない。

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オルレアン家現家長にしてパリ伯アンリ7世)

 調べてみると数十人でドラムを叩きながら、国王万歳と唱えつつパリ市内を行進する動画をYoutubeで発見した。構成員は我々が脳裏に浮かべるようなネオナチ崩れのスキンヘッド集団ではなく、年端もいかぬ少年少女から足取りのおぼつかない老人までいる。日本の極右団体に比べて、何気に年齢・性別が豊かであった。

 さて、アクションフランセーズをウォッチしている内に、同団体のグッズを通販で購入できることを知った。旗、Tシャツ、バッジ、ネクタイにZIPPOとなかなか種類豊富。加えてセンスが良い。同じく極右と目されるフランス国民戦線に比べて、グッズの質の点では、間違いなくアクションフランセーズが勝っていると感じた。

 となれば欲しくなるのがウォッチャーである。日本発送の可否を尋ねると、いくら待っても返信がない。仕方がないので代行業者を利用することにして注文発送を終えると、宛名を間違えるという大ポカをしてしまった。これについては完全に私が悪い。だが、いくら宛名の訂正依頼メールを出しても全く返信をしない、というのは無愛想極まるのではないか。おじさんは憤慨した。代行業者氏も困惑した。ジャップ相手だから舐めているのではないかとも疑った。

 とはいえ着くには着いたのである。配達会社のお兄さんと代行業者氏が奮闘してくれたらしい。日本に到着したのは、ちょうど昨日(2017/3/11)のことだった。嬉々として開封する。すると注文した9点の内の2品が欠けていることに気付いた(フルールドリスのネクタイピンとフルールドリスのバッジが失われてしまった)。……まぁ損失額は20ユーロぐらいだから、もう一々やり取りするのが面倒極まりないし、連絡しなくて良いかなぁという気になっている。この20ユーロは日本人からフランス王党派への寄付である。ぜひ王政復古を成就してほしい。極東の島国から祈っています。あっ、その前に取り合えず顧客対応を改善してください。本当に星1を連打したかった。

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(ネクタイとバッジが届きました)

 ところでアクションフランセーズにとって参考にすべき「王制国家」の一つとして、機関紙の中で日本が具体的に示唆されている。国民戦線のルペン党首(娘さんの方でなく親父さんの方)が訪日した際、一水会と共に靖国神社を参拝した話は割と有名だけれど、フランス極右連中の理想像が日本というのは面白いところではないだろうか。