令和のAIR聖地巡礼記
夏の某日、和歌山県にあるJR御坊駅のホームに降り立つと、
「あづい」
冷気で満たされた車内に戻りたくなったが、
ガタンゴトン。
改札を出て、駅前のレンタカー屋に向かった。名前を名乗ると、
「どちらに」
じろりと服装を見られる。ダサいアロハを着込んでいるものだから妙に気恥ずかしい。
「ちょっと海の方に」
「そりゃよかです。ここは田舎ですけど、海はキレイですよ」
AIRというゲームがある。
keyというゲームメーカーが世に放ったノベルゲームだ。中身は正直、もうあまり覚えていない。ヒロインのかみお みすずという名前だけは辛うじて憶えていた。でも、ツイッターでは神尾美鈴と書きこんでいた(本当は観鈴)。今さら作品を貫徹する気力はない。作品の香りだけ何度も嗅ぎ直しながら、それでも何となくAIRが好きだった。
和歌山県内にあるAIRの主要な聖地ポイントは10数カ所。
海岸線を走っていると、砂利浜が視界に入った。煙樹ヶ浜だ。
後でじっくり堪能することにして、煙樹ヶ浜を離れた。
国道24号線を10分ほど進むと、三尾漁港に行き着く。ここに3つほど聖地
堤防に登ると、腕を水平に伸ばしてみたくなったが、我慢した。
バス停近くのアメリカ村食堂すてぶすとんで昼食をとる。店内に「
女性店員に「ちょっと読ませてください」と頼むと快諾。「
実は、この店の近くにある「白鳥商店」
気を取り直して巡礼を続ける。
御坊市内に戻り、廃線跡を見た。この女性2人組とバイカーの男性
会話は交わさないが、互いに配慮しながら順番に写真を撮る。
徒歩でポイントを抑えていく。
再び煙樹ヶ浜へ。浜のすぐそばには859年に遷座したという御崎
お参りを済ませ、自販機で飲み物を買った。どろり濃厚…はないの
見惚れすぎた結果、予定していた電車を逃し、
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